ライ角の影響
ゴルフスイングで地面に静止したボールを「最も打ちやすい高さ」として打つためには、
上体を前傾させて首筋から背筋を結ん だラインとシャフトラインを90度に構えることが
地面にあるボールを腰の高さに合わせる構えになり、
スイングスピードを効率よくボールに与えるには重要な ポイントです、
インパクトでは左腕とシャフトの角度が10度ほど少なくなりアドレスよりハンドアップの状態になります。
では実際にライ角がどのように影響するかを検証して見ましょう。
フェースを飛球線にスクエアに合わせた場合、トゥ側を浮かせればフェースは左斜め方向を向き、
ヒール側を浮かせれば右斜め方向を向きます、さらにロフト角が大きいほど向きの変化は大きくなり、
ライ角が1度変わるとロフト角÷90度だけ向きが変わります。
ライ角が変わったときにフェースの向きと落下点がどれだけ変わるかを
ボールの曲がりを含めてヘッドスピードを42mで計算しました。
ヘッドスピードが速ければ飛距離が伸びると同時にスピン量も大きくなり、
飛び出す方向が同じでも大きな誤差になります。
またライ角が適正の場合にフェース向きが2度ずれた場合、
ヘッドスピード42m(ドライバー)で落下地点では20ヤードの誤差になります、
またライ角が不 適正な場合、構えにくいだけではなく
打ち出し方向にも影響を与えボールの落下地点は大きくずれることになります。
ロフトの多いアイアンはライ角がフェース 向きに大きな影響を与えます、
フェースの向きを左右するライ角度が、クラブスペックの最重要ポイントです。
最近、私のショップに持ち込まれたお客様のクラブのライ角を表にしてみました、
測定しながらお客様にも確認してもらうのですが、驚くような結果です。
①はテイラーメイド社②はキャロウェイ社の製品でPS、SWはフォーティーン社製品でした、
アメリカのメーカーの製品が特 にひどいのですが、中国で作り出してから
日本のメーカーの製品もカタログと違うスペックの製品が多くなってきました、
ヘッドの製造段階での誤差やシャフト接着乾燥時でも誤差が出ます。
使う人の身長にあわせ、販売時点で調整するのがベストですが、
鋳造のステンレス製の場合、非常に硬く曲げることは困難で
軟鉄鍛造製のアイアンが最良です。
メーカーの公表スペックを信用せず、アイアンは調整してから使うものと考えてください。
あなたはどこまでゴルフクラブメーカーを信じますか?
今までの話の中で、大手メーカーはすべてのパーツを外注していることは理解していただけたと思います。
もっと困ったことに 組み立ては国内ではパートのおば様達にまかせ、
中国ではゴルフをしたことも無く、いったい何の道具なのかも知らない工員に丸投げです。
グリップの向きやバ ランスが不揃いになるのは当然ですが、これはメーカーの責任ではないのでしょうか。
大量生産されるメーカーの商品でも良い物はたくさんありますが、
ヘッドメーカーとシャフトメーカーの物作りに対してのこだわりと努力が
どのようにアッセン ブルするかでコンセプトとは別物に組みあがります、
パーツを作った職人達の努力がすべて無駄になってしまったゴルフクラブもたくさん存在します。
前回ライ角度のアップライトすぎるクラブが多いことを述べましたが、
どのような影響があるのかお話しする前にスイングのメカニズムから見た
アドレスとインパクトのライ角度を検証してみましょう。
世界で活躍するトッププロたちのスイングを分析すると、多くの共通点が見出せますが、
その中でライ角度に関連するものだけを考えてみましょう。
アドレスの構 えを飛球線後方から撮った写真を見ると、
上半身とシャフトが作る角度は、ほぼ直角になっています。
野球の場合、腰の高さはホームランコースで最も打ちやすく飛距離が出るはずです。
ゴルフの場合、地上に静止したボールを「最も打ちやすい高さ」にセットするには、
上体を前傾させて首筋から背骨を結んだラインとシャフトラインを直角に構えて
ボールに向けることが、地面にあるボールを腰のの高さに合わせることになります。
効率よくスピードをボールに伝えるには重要 なポイントです。
アドレスで左腕とシャフトの内角は135~150度の角度になっていますが、
この角度は番手には関係なくプレーヤー個々で一定です。
スク エアグリップの場合は角度が少なく、フックグリップの場合は大きな角度になります。
ドライバーのアドレスでシャフトのライ角度を測ってみると、身長が187cmで43度、
180センチで42度、170センチで39度前後というデータがあります。
しかしインパクトでのシャフトライ角は10度前後アップライトになり、ハンドアップになります。
グリップ部分のシャフトと地面の角度は6~7度アップライトになっていて、
さらにシャフトは中ほどから先端にかけて3~5度下にしなり(トゥーダウン)
グ リップの軸線の延長線とボールの中心がほぼ重なり、
インパクト時点のライ角は2つの数値の合計で9~12度アップライトになります。
インパクトゾーンでの遠心力は15~20kgの力になり、
その力の影響で手首の角度が伸ばされハンドアップになった状態でボールをヒットするのです。
ライ角がアップライト過ぎるクラブを使っていると、つかまり過ぎを嫌い、
フェイスを開いたりしたり、ボールを中に入れたりっするようになります。
さらには右を向く癖がつきやすいものです。
あなたのクラブのライ角はあなたのスイングにフィットしているでしょうか。