グリップ Ⅱ
前回でも述べましたが左右ともフィンガーで握ることで
左手甲と右手の平を「面」としてとらえやすくなるのですが、
アメリカ ではよく使われているファイブボールドリルで説明します。
ボールを縦一列に5個並べて握るのですが
欧米人に比べて手の小さい日本人の場合4個のほうが持ちやすいと思います。
実際に握った時に、ボールにラインが書かれていて、
そのラインが一直線になっていることを
手の中にイメージしてグリップしてください。
スイング動作をした時に、手のひらで持つとグリップ圧が
変わりやすく各ボールのラインはズレてしまいます
バラバラのボールの列がズレないまま振ろうとすると、
自然に指先 (フィンガー)で持つことになるはずです。
ファイブボールを手の平(パーム)でしっかり握って
腕を突っ張るようなアドレスでは、
加速した時に腕のポジションも
グリップのボールラインもキープすることは難しくなります。
ファイブボールのグリップを右肩と右耳の間、
左肩と左耳の間と交互に肘を曲げて担ぐように 上げてみてください。
手の平で握ると腕が上げにくいはずです、
指先でさわっているだけで手のひらを部分に空間ができるぐらいに
ゆるゆるのグリップが楽にラインに対する面を保ちます。
ゆるゆるの握力の200分の1か300分の1の力感で握った場合、
手では動かしようがなく体で動き出すしか方法がないはずです。
繋がっていない5個のボールを握り、
シャドースイングの中でボールの中心線を感じて
振れるようになるまで続けてください。
体幹とそれを支える股関節から大腿部の下半身の力と
腹筋や背筋の力をクラブヘッドに伝えるには、
腕を体の正面にセットして、体を振りぬくことで腕は振られて
ファイブボールもライン(面)をキープしたまま早く動かされることになり、
結果として体の力とスピードが正確にボールに伝わることになります。
実際にクラブを握る時、両手の中に面を作るには
右手の平をターゲットラインに向けて、中指と薬指のツメを
ターゲットラインを向く様に握ります
左手は手の甲がターゲットラインを向き
中指と薬指のツメが反対方向を向くように握るのです。
クラブを持たずに覚える方法は、
まずテーブルの上に手刀の状態で右手の平と左手の甲が
目標に向くように正対した状態に手を置きます、
次に親指と人差し指の 付け根を、親指を詰めた状態でくっ付けます(ショートサム)。
最後に人差し指と薬指のツメの向きを正対させそのままグリップの形を作ります。
ほとんどの方が「これでは振れない」と感じるはずです、
しかしそう感じる方はスイングの中で意図的に腕を振っている方です、
今までの握りやすいグリップで は腕を振ることを強調しすぎ
腕と体に一体感が無く、飛ばそうと腕を振れば振るほど
グリップが暴れてしまい「曲がって飛ばない」スイングになるグリップです。
効率よくボールを飛ばすには、フェース面と同じ向きの
「面」を左右の手の中に作ることが絶対条件で、
その結果ターゲットに対するラインをイメージしてスイングすることができるのです。
腕を使ってグリップを振るのではなく、
体幹を振り向くことによってアドレスで作ったグリップが
スクエアーな面を保った状態で
スムースに振り抜かれることが理想のスイングだと思います。
理想のスイングを可能にしてくれるグリップを覚えることが上達への近道です。
グリップ Ⅰ
グリップで悩んでいるゴルファーが多いようです。
グリップの型が悪いとアドレスでの肩のラインと
ボールポジションに直接影響を与え
「練習場では打てるのにコースでうまく打てない」という一番の原因になります。
グリップ圧の勘違いは加速性(飛距離)反復性(ミート率)に影響を与えます。
グリップの役割にひとつはフェースコントロールですが、
インパクトでフェース面のスクエアを維持しやすいグリップを見つけることです。
グリップを整理すると、このコラムで述べてきた
「体幹」が振りぬかれることで、腕もグリップも
振りぬかれていくようにグリップすることと、
体の動きより腕を意図的に動かすためのグリップに大きく分けられます。
大半のゴルファーはクラブをしっかり握ることで、
スイングとクラブの動きが安定すると思っているようです。
しかしグリップを強く握れば握るほどヘッドは動きにくくなるため、
結果として腕を振るスイングになってしまうのです。
またアドレスの静止状態だけでグリップを考えては
正しいグリップは身に付かないと思ってください。
切り返し後インパクトゾーンで加速状態の時に、
フェース面の向きとヘッドの位置を感じられて
オンプレーンに振れるグリップを身につけるべきです。
そのためにはアドレスからフィニッシュまで振り、
そのままトップへ切り返しフィニッシュまでのスイングを繰り返す
連続素振りをしてもらうとわかりやすいと思います。
4〜5回の連続素振りの後、フィニッシュからアドレス位置にグリップを戻した時、
グリップ型に変化が起こらないのが理想です。
フェース面がオープンかクローズ方向にずれている場合、
インパクトのフェース面も同じようにずれた状態で通過しているはずです。
アドレスとフィニッシュで手のひらや指がずれて、
グリップ型とフェース面が変わってしまう場合、
大体は手の平(パーム)で強く握りすぎるためで、
体を止めて腕全体を振ることになり、
グリッププレッシャーがスイング中に変化してずれてしまうのです。
連続素振りをしながらグリッププレッシャーを感じて下さい。
素振り中は同じ強さでグリップしなければなりません
アドレスから切り返しやインパクトで力が変化してスイングするのは、
パームで強く握りすぎているからです。
私はスイングに必要な力を説明するとき
「握力の200分の1か300分の1の力ぐらいです」と説明します。
必要最小限の力加減をイメージするとこうなるのですが、
力加減を体感してもらうには、右手の親指と人差し指でグリップを下にして
ヘッドのネック部分を握り素振りしてみてください。
野球のボールを投げる時 と同じように、振りかぶった位置から
体重移動と下半身のリードで何度か振りぬきます。
腕、首筋、手首、指先をリラックスさせ
柔らかな力感で振るほうが シャープに振りぬけるはずです。
指で握るグリップをフィンガーグリップといいますが、
左右ともフィンガーで握ることで、左手甲と右手の平を
「面」としてとらえやすく、アドレスで作ったグリップが
体の動きでスムースに振り抜かれるための握り方になります。
フェース面と同じ向きの「面」を左右の手の中に作ることが、
ターゲットに対するライン を感じられるグリップを作るポイントです。
パームでしっかりグリップすると強く握ることになり、
面の感覚がつかみにくく、方向に対するラインを出しにくくなるばかりでなく、
ヘッドがスムースに動かず、グリップとクラブが
けんかをしているような状態になりよい結果は望めません。
具体的なグリップの方法は次回に掲載します。