韓国バブル
日本はそろそろ秋から冬へと季節が変わり、ゴルフシーズンも終わりに近づいてきました。
韓国もセーターなしではラウンドできなくなってきたようです。
韓国では、ゴルフ会員権が高騰し続けています。
ソウルから比較的近いナンブCCは2億円を超えたそうです。ソウルにいたころよく行ったゴルフ場でしたが、メンテナンスがよくきれいなコースでした。
会員権が急騰するのは、その他のコースも同様で日本円で4000万円以上の会員権相場のゴルフ場が50ヶ所、1000万円を超えるコースが100ヶ所以上 になったようです。韓国には280ヶ所しかゴルフ場はありませんから、全体の35%の会員権が1000万円以上の値段が付いているわけです。
会員権が急騰する理由は、韓国ゴルフ市場の需要と供給のアンバランスが影響しています。ゴルフ人口が約400万人と成長する一方で、コースが300ヶ所もないのですから、需要過多になるのは当然かもしれません。
会員権の高騰にもう一つ影響を与えているのが、不動産価格の高騰です。ソウルのカンナム地区では40坪のマンションが3〜5億円。このような不動産価格が いつ下落するのか?そうなれば当然ゴルフ会員権も暴落しそうで、日本で起こったバブル崩壊が韓国で起こる可能性は否定できないと思います。
会員数が適正で毎週末に予約できるコースの会員権価格が高額になり、なかなか予約が取れないコースは低価格になっています。1回のプレー代も平均30万ウォン(カート代、キャデイ代込みで約4万円)は常識で、グリーンフィだけでも平均21万ウォン。
コンペを毎月開催するにはゴルフ場のレストランでプレー後パーティーを開き、ゴルフ場併設ショップの商品券を商品用に購入しなくてはならず、幹事、有志一 同で真冬の1月、2月もまだ暗いうちにスタートさせられた経験があります。当然グリーンはカチカチに凍結しており、ゴルフとは程遠いスポーツを愚痴をこぼ しながらしたものです。コンペとしてコースに対してお金の落とし方が少ないと、次の年からコンペの予約が取れない可能性をゴルフ場側からはっきり告げられ ていました。
韓国のグリーンフィが高い理由は半分が税金だからです。韓国ゴルファーはラウンド当たり7万6000ウォン(約1万円)の税金を払っています。特別消費税 (1万2000ウォン)、教育税及び農特税(それぞれ特消税の30パーセント)、付加価値税、国民体育振興基金(3000ウォン)、ゴルフ場が出す保有税 (財産税・総合不動産税)、法人税、事業所税などを合計した金額です。
このような高い税金は1974年、当時の朴大統領が発令した大統領緊急措置以来、全く変わっていません。ゴルフは贅沢なスポーツとされ、一般事業施設よりずっと高い税金を今も課されています。
売上高1位のピンクスGC(27ホール、済州島)は年間80億円を売り上げています。また、純利益も30億円前後あり、その不動産価値は400億円だそうです。
日本のゴルフ場経営者には考えられないバブリーな数字が並んでいます。
真冬になるとカチンコチンのゴルフ場から、タイにも大勢の韓国人ゴルファーが来襲します。
韓国人プロゴルファーが団体で移動する時期は12月初旬、2002年までに5勝したもの2003年以降勝てなかったキム・ミヒョンは2006年シーズン前の2ヶ月を師匠であるチョー・ボンスプロのゴルフ合宿に2年ぶりに参加しました。
朝から後輩たち25人とのラウンドと練習、夕方からトレーニングの生活を2ヶ月間、そして復活の2勝。今年も1勝しました。
今シーズンの前には日本ツアー史上最年少となる19歳のシード選手となり、2006年最優秀新人賞も獲得したリー・ドンファンも参加していました。
ドンファンは今年、念願の優勝をミズノオープンで果たしました。
シーズンオフを1年間の反省と来シーズンへの課題に取り組む韓国勢、一人では妥協してしまうのはプロゴルファーも同じ、だから団体で行動し競争するのです。
子供の頃から人生は競争することと教える韓国教育、格差をなくし平等だと教育する日本との差は広がるばかりではないでしょうか。
最近、韓国人のゴルフ場におけるマナーが問題で、メンバーやコースの従業員から苦情が寄せられるケースが日本でも多発しているといいます。
その一つが「韓国人はうるさくし過ぎる」ということ。日本人は隣人に迷惑をかけないように静かにする習慣がありますが、韓国人はワイワイと本音で話す習慣を持っています。日本人から見れば、この韓国人の行動は騒がしいとなるのです。
日本のレストランはそれぞれ違うものをオーダーして、自分が頼んだものを食べるのが当たり前ですが、韓国では焼肉にしても鍋にしてもみんなで一斉に食べて一斉にしゃべりだすのです。
これに加えて、日本では有料のキムチやおつまみ類は韓国では無料です。
海外のゴルフ場とシステムが異なることを知らない韓国人は、韓国のゴルフ文化をそのまま日本やタイのゴルフ場へ持ち込んでいるわけです。
今年は合宿に誰が来るのかそろそろ連絡が入るでしょう、成長した選手たちとの再会が楽しみです。
ドーピングテスト
来シーズンからPGAツアーでドーピングテストが実施されるようです。
9/20日に行われたPGAツアーの会議で、コミッショナー、ティム・フィンチェム氏は、(ドーピングテストの)最終計画を11月に選手役員会に示す予定で、来年春までにはテストをスタートすることを期待していると話しました。
どうやらこの計画は、マスターズ以前の4月第一週には実施されるようです。PGAツアーの他、R&A、オーガスタナショナル、PGAオブアメリ カ、USGA、LPGA、ヨーロッパPGAツアーの代表が参加しているWGF(世界ゴルフ基金)も、同時に「薬物及び方法リスト」についてリリースしてお り、このリストには、テストステロン、ベータブロッカーなど、アドレナリンの効果を抑えるステロイド剤や、鎮静剤(麻薬)が含まれています。
フィンチェム氏は、このリストが反ドーピング方針開発の第一段階であると言っており、罰則やテスト方法、治療薬として使われるときの免除手続きなどを規定する第二段階は、今年末までに完成するだろうと話しています。
この反ドーピング方針の最も重要な要素の一つは、ゴルフを管轄する団体からの世界的支援であり、積極的なテストと、その結果としての処分は、世界の主要ツアーを含む全ての主要選手権試合で採用される見込みです。
既に2008年からの方針採用を決めているヨーロッパPGAツアーのCE、ジョージ・オグラディ氏は「我々全ての団体が同一歩調を取ることは真に良い ニュースだ」と語っています。 一時はゴルフへのこの能力強化薬物禁止方針導入に、証拠が無いことを理由に難色を示していたこともあるフィンチェム氏は、「我々は与えられた世界的な方向 に従っている」と話していますが、「これから向かう方向に対してじっくり考えている」とも述べています。
ドーピングテストを管理するための費用がツアーにかかってきますが、フィンチェム氏の見積もりでは、PGAツアーが支出する費用は、これから2、3年のテ ストで年間100万ドルから150万ドルにも上ることが予想されます「これを行うことは決して安い買い物ではない」とフィンチェム氏が認めているように、 日本のツアーは資金が出せないのか参加していないようです。
ゴルフウィーク誌記事によると、オーガスタナショナル、R&A、USGA、PGA of America及びヨーロッパツアーを含む世界の主要ゴルフ組織は「全ての組織の主要選手権試合に於いて施行するテスト結果が陽性となった場合、制裁を課 す方針を支持する」とのコメントを出しています。
そもそもドーピングテストは国際オリンピック委員会(IOC)が、競技者の競技能力を強化したり、強化する効果をもたせることを目的とする物質や方法の使 用を禁止したことから始まりました。医学的倫理に反するこのような行為が一般にドーピングと呼ばれています。要するに、薬などを使用して不正に競技能力を 高めることなのです。
1988年のソウル・オリンピックの時、ベン・ジョンソン選手が金メダルや世界新記録を取り消され、ドーピングが大きな話題になりました。しかし監視の目をすり抜けて現れる新種の薬物と、最新の技術を駆使して見つけ出す検査機関のイタチごっこになっているようです。
ドーピングがいけないとされる理由は(1)スポーツマンシップに反する。(2)薬物の副作用により健康を害する。(3)薬物汚染(麻薬など)として社会問 題である。いろいろ理由はあるかも知れませんが、本来スポーツは自分の身体を鍛えて能力を競うフェアプレー精神のもとに行われますが、薬の力を借りて競技 能力を高めることはフェアではないということです。
英語Dopingは南アフリカの先住民のカフィール族が、Dope(ドープ)という刺激・興奮するドラッグを戦い前の出陣式などに疲労回復・士気向上のた め使用していたことに由来しています。一般ゴルファーやゴルフファンにとっては、ゴルファーの薬物使用問題は笑い話に過ぎないかも知れませんが、プロゴル フがパワーゲームとなった現在、選手の薬物使用は現実問題と認識され実施が決まったのですが、皆さんが売店で飲む「リポヤク」もドーピングテストをしても らったほうが良さそうです。
米国ペンシルバニア州立大学名誉教授のチャールス・イエサリス氏は、「確かにゴルファーはNFL(プロフットボール)のラインバッカーのようになることを望んではいない」と述べています。
イエサリス氏は能力強化薬物について20年以上も研究したデータから、正常に管理された使用なら、薬物やステロイド服用は、高血圧・狭心症薬と同様に有効 だとしており、ステロイドはゴルファーが練習から回復するのを助け、高血圧・狭心症薬はパッティングの際の心臓のドキドキを抑えることが出来ると言ってい ます。
イエサリス氏が言うのは、「これは選手が18ホール戦うためでは無く、試合のため練習でバケツ100杯分のボールを打つ事に効く」と言うことで、その事にはゲーリー・プレーヤーも納得しています。
小柄な体をトレーニングで鍛えてグランドスラムを達成したゲーリー・プレーヤーは、今年の全英オープン会場で、能力強化薬物を使用している選手の存在を知っていることを明かし、世界のトッププレーヤーの内10人は使っているだろうと話しました。
ツアープレーヤーのフィットネストレイニングを担当しているランディー・マイヤー氏は「ゲーリーは一般市販の薬剤をステロイドと混同したのだ。私はツアー プレーヤーの80%がプロテインパワーや他のサプリメントを服用しているのを知っているが、それらは全て合法的なものだ」と話しています。
タイガー・ウッズを含む多くのツアープレーヤーはドーピングテストの導入に賛成していますが、真相は来年のお楽しみということです。